神奈川県 エナガーデン/山﨑 多恵 様
タイトル『ハンドセラピスで人生を取り戻せ』
その男性がお客様としていらしたのは38歳の秋でした。
お店のドアが開くと見えてきたのは、黒一色の服装に、髪の毛は寝癖のまま、目は今にも寝てしまいそうな眠そうな瞳。
かかとをつぶして履いている靴。
見た目からは全く生気を感じられませんでした。
問いかけにも小さく「はい」とか「いいえ」などの返答しかなく、初めはとにかく無愛想な方だなという印象でした。
来店目的もほとんど伝わってこない中、スタートした施術。
身体はゴムのように固く、とにかく電気の入らないお背中でした。
施術中、施術後に感想を問いかけても、反応も薄く、その日は気に入ってもらえたのかも分かりませんでしたが、数日後2回目施術の予約を電話で取ってくれました。
でも2回目の予約当日の朝、電話が鳴り、聞こえてきたのは前回と同じく小さい声。
「朝起きられず、すみませんがキャンセルさせてください。」と。
やはりキャンセルになってしまったかと思いながら、ただ次回の予約だけはしっかり取られました。
次のご予約の時には、「若年性更年期障害と診断されまして」とご自身の健康についてお話ししてくださいました。
内容をよく聞いていくと、自律神経を整えて前のように戻りたいとのご希望でした。
その日も変わらずゴムのように硬い背中を中心に施術しました。
そこからは毎週月曜日の朝11時からの予約を毎回帰りに取っていかれるようになりました。
はじめは3回に1回は当日にキャンセルの電話がかかってくる時期もありましたが、2ヶ月ほどたったころから当日キャンセルはほとんどなくなっていました。
お仕事は病気の診断が出るまで羽田空港でパイロットとして働いていて、見せていただいた写真も爽やかな笑顔とパリッとした格好で、1回目にご来店いただいた時とは全くの別人に見えました。
この時に病気療養のためお休みしていることもわかりました。
ハンドセラピスを受けるまで「ガヤガヤ」「ガタンゴトン」「プップー」という街の音がとにかく辛く、イヤホンをして音を消した状態でないと出歩くこともままならなかったと知りました。
また自律神経に関すること全てが乱れていて、朝起きられない・眠れない・腸の不調・冷え・めまい・耳鳴り・とてつもない疲労感などなど。こんなに色々な辛いことが一度に起きるなんて世の中で一番辛い病気なのではないかと思うほどでした。
そして3ヶ月目くらいからは毎回嬉しい報告をいただけました!
予定の時間に朝起きられる事から始まり、
イヤホンなしで街を歩けた。
一年ぶりにお友達とお茶することができた。
電車に乗れた。
体重が減ってきて昔のズボンが履けた。
大好きな野球を球場で観戦出来た。
毎回施術中に変化を報告してくれ、嬉しくて涙が出てしまい、彼のお身体や心の変化が自分のことのように嬉しかったです。
そこから約1年で再度働き始めた彼は以前のような生活を少しずつ取り戻しつつありました。
バリバリ働いて毎日ハンドセラピスを受けたい!というのが彼の口癖になっていました。
自律神経とは「人間の体をコントロールしてくれている大事な神経」と言葉ではわかっていましたが、本当の意味で自律神経がしてくれていることの重大さを目の当たりにした日々でした。
これまでも10年の間にたくさんの方のお身体が変化していくのを見てきました。
今もハンドセラピスがとにかく好きで、ハンドセラピスとの出会いに本当に感謝しかありません。
これからは自分自身を含めて多くの人たちがハンドセラピスで元気に、綺麗になっていくのを何歳まで見る事できるのか、この挑戦をしていくことが心から楽しみです。